終末期に対する考え

愚娘が大学の生命倫理学の課題で参考にするからと、終末期に対する私見を訊いてきた。

獣医師としての私見なら、患者(ウサギ)には苦痛がなく、食べて、排泄できる生き方が持続できる治療の追求。
これもまた私見だが、そこにヒトの場合は人間として生きる尊厳も満たされているかが加わると思っている。

コロナ禍において、日本では高齢の重篤患者でも生かすことを念頭に置くため、躊躇なくエクモ(人工肺装置)を利用するが、癌患者専門の在宅緩和ケア医 萬田緑平先生は、80代以上の高齢でエクモを利用して救命したとしても、およそ半分以上は認知症状態での復活になるのでは? とコメントされている。
先日83歳の親族が転倒骨折し無事に手術を終えたが、術後認知症が進んだ事実からも十分予想できる。

対してスウェーデンでは、高齢者に人工呼吸器を装着することは虐待に当たるという倫理観が浸透しているという。
だからといって高齢者施設で新型コロナのクラスターが発生することを許すわけではなく、高齢者保護に徹するが、病気が悪化した場合の治療に対する認識は日本と異なる。

では最後も私見だが、どちらを指示するかといえば後者。
呆けてまで長生きし続けたいとは思わない、可能な限り家族の負担にならず一生を終えたい。
個人の尊厳死を認めてほしい。
一番好きな映画「ミリオンダラーベイビー」のクライマックスに共感できる死生感だ。

愚娘と有意義な話ができて良かった。

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