監禁面接

フランスのミステリー小説家ピエール・ルメートル、2010年上梓の翻訳本。

3年前、行きつけの書店で偶然見かけた表紙に釘付けになって、衝動的に購入、その日のうちに読破したのが「その女アレックス」だった。
その後は何のためらいもなく、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作に突入。

本書はその3部作執筆の合間に発表されているのだが、本作に著者の得意技である残酷描写は皆無。
代わりに、主人公が57歳でリストラされ生活が危機的状況に陥り、愛する嫁と2人の娘をトラブルに巻き込みながら、人生逆転を狙う過程のヒリヒリ感を最大限味わわされる。
程度は違えど、そんな生活の崩壊は同年代の人間なら起こり得ることだから、より一層リアルな想像を膨らまし、それだけに興奮と緊張の度合いが高い。

心理戦で楽しませる一冊でした。

アメリカのキングに続いて、完全にその毒にやられてルメートル中毒になった私。
次は「天国でまた会おう」三部作にやられる予定。

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