東京クルージング

好きな作家の作品3連続読了、最後は一番ボリューム大の長編小説。

2003年、メジャーリーグに挑戦した松井秀喜選手を追ったNHKのドキュメンタリー番組「松井秀喜 ベースボールの神様に抱かれて ~作家・伊集院静が見つめた1年~」の制作過程を元に構想されたフィクションでしょう。

著者(作中名・伊地知)が出会った若者と、その若者が愛した女性の物語で、信じられないような出逢いと別れの物語になっている。
フィクションなのに、松井選手の話とそこに関わる伊地知=伊集院氏の取材活動や交流は、実話を元にした話だと推測され、そこから繋がる天使の存在を意識させる奇跡も、読むうちに著者が実際に体験した実話のような気がしました。

長編だったので、就寝前数日に分けて読むつもりが、後半の展開から逃げ出せずに、気がつけば徹夜で読了してしまいました。
そして、んっ?と思って100pあたりに戻ったら・・・おお、奇跡。

あと、会話文がとても綺麗な作品で、現実の世界では残念ながらリアリティに欠けるかもしれないが、これが普段から言葉遣いに厳しい著者の作風で、なんとなく本ブログを書くにあたっても気をつけてしまうほどです。

期待通り満足の一冊。

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