広重 名所江戸百景II 夏秋

そして目的の浮世絵展へ。

先日読んだ立川談慶著「安政五年、江戸パンデミック。」で、当時の江戸の庶民生活に興味が湧いたところ、なんとこの歌川広重による名所江戸百景は、時代がバッチリ合う安政3〜5年(1856〜58)の作品集。

こりゃ観にいかな! となったわけ。

夏の部14作、秋の部26作、じっくり会場独り占めして鑑賞できたのですが、作品の劣化を防ぐため、照明が暗くされていたのが残念、いや、仕方なしか。
私的感動作

はねたのわたし弁天の社
猿わか町よるの景

夏の「両国橋大川ばた」に始まり、秋の「両国花火」で終わる、全40作をじっくり味わってきました。

入場無料な上、絵葉書まで貰えて、何よりヒトがいないからゆっくり鑑賞可、パートIIは11日までです。

安政年間は1855年から1860年までのたった5年間。
この間に江戸庶民は大地震とコレラ流行を体験、江戸幕府は崩壊のきっかけとなる事件が次々起きる激動混乱。
なのに今日観た作品のなかには、それらを匂わす風景が何もなく、庶民の直向きな生活だけが描かれていました。
コレラに関していえば、当時国内人口約3000万に対して、感染死者数は江戸だけで10万人、全国では数十万人と推計されているそうだ。
そんな過酷な状況でも江戸庶民はコレラをコロリ(コロッと死ぬから)言い換えて、力強く(痩せ我慢かもしれないが)日常を暮らしていた。

不謹慎を敢えて言うが、1億2000万のなか1600人程度で怯える。。。

彼らが現在の我々を見たら、なんて言うでしょうね。

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