反東京オリンピック宣言

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東北を犠牲にして、更にその復興と結びつけられた東京オリンピックなど支持するもんかと本ブログで吠えることは、開催後に「実は反対だったんだよな」とぼやく後出しジャンケンの個人的気分の悪さを防止するだけで、現在のマスメディアがこぞって協賛企業になり、社会全体が開催に疑問を呈さない状況のなかでは、どうしようもないことだと虚無感に浸っていたところ、アマゾンで見つけて即注文した。

2020年東京オリンピック開催に対する、スポーツ、科学、思想、哲学、社会学などの研究家・活動家16人による異議申し立て寄稿文なのだが、これら大学教授陣による文章は、少しばかり高めの読解力を必要とし、それ故、残念ながら本書が売れて、オリンピック反対議論の起爆剤になることはないと思う。この点は残念。

しかし、頑張って読み解けば、震災を犠牲にした東京開催だけでなく、オリンピックそのものがたくさんの問題を抱えながら、世界的に抵抗困難な巨大イベントになっている状況がわかる。
もうここまでくると、本書にも寄稿しているスノーボードのテリエ・ハーコンセン選手のオリンピック・ボイコット行動のような動きが、他種目の出場選手間でも広まっていくことで、イベントの権威を落とすしか方法ないなと思いました。

読んでて憎たらしくも納得してしまったのは、ブエノスアイレスの世紀のハッタリ「完全にコントロールのもとにある」は、福島第一原発がコントロールされている、ではなく、日本の(言論)状況が完全にコントロールされている、ということだったそうな。
だったら残念ながら、現状もハッタリは効力持っているということです。

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