博士と彼女のセオリー

去年、イギリス製作で公開された、理論物理学者スティーヴン・ホーキングと彼の元妻ジェーン・ホーキングの関係を物語の軸とする伝記映画。
ホーキング役のエディ・レッドメインは本作で、アカデミー主演男優賞を受賞した。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症して進行していく様の演技は、相当この疾病の勉強をして、実際にホーキングの映像を研究したに違いなく、もちろん本人にも会っており、その人柄も可能な限り忠実に再現されていると推測できる。
だから、元妻ジェーンの回顧録を元にした作品であるに関わらず、ホーキングは本作に好意的で、鑑賞後に涙を流したとされている。

一部批評には「ホーキング博士の業績を大雑把に説明している。雑な描写のために、なぜ博士が有名になったのかという疑問に対する答えがはっきりしないままになっている。博士がどのようにして従来の時空理論を覆したかということを描き出す代わりに、博士が神の存在に言及したかしないかという、些細なことが語られている。観客の宗教的な関心に媚びている。」と批判されているが、彼の業績を知りたいなら書籍を読めばいいし、唯一絶対神に縛られることのない生活をしている自分には、そもそもそこに興味はない。

永遠の夫婦愛という叶わぬ幻想に、夫婦として、親として、男と女として、どのように折り合いをつけて、観る側を共感させてくれたかに関心があった自分には、この作品は十分満足いくものでした。

予告編で描かれている純愛の綺麗事・・・ばかりじゃないところに注目ですね。

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