今村顕史先生の提言

東京都立駒込病院の感染症科・今村顕史先生が以下のように提言しました(長文)。

今、みなさんが直面しているオミクロン株による新型コロナの急増。
このオミクロン株の感染力は「当初の再生産数による推計値ほど高くない」ということがわかってきています。
では、これほど急速に感染が拡大するのは何故か?
それを理解するのに必要なのが【世代期間】という考え方です。
【世代期間】とは「1次感染から2次感染までの期間」、すなわち、1人の人がウイルスに感染してから次の人に感染させるまでに要する期間。
この【世代期間】が、これまでのウイルスでは約5日であったのが、オミクロン株では約2日となっているのです。
では【世代期間】が、5日から2日に短縮したことによって、どのような影響があるのでしょうか?
ここが、今の感染急増のメカニズムを解くカギとなります。
従来のウイルスでは世代期間が5日ですから、1週間では1人の感染者から2人目(2次感染)の感染者が生じることになります。
これが世代期間2日なると、1人の感染者(2日)→2次感染(2日)→3次感染(2日)→4次感染と、たった1週間で4次感染まで広がってしまうのです。
オミクロン株がでた当初は、この「世代期間の短縮化」は知られていませんでした。
そのため、感染急増の原因が、単に「感染性の高さ」として実効再生産数に反映されいたのです。
しかし「世代期間の短縮化」を考慮することで、実際の感染性は当初の予想よりも低いことがわかってきたのです。
このようなことを理解すると、その対策のポイントもわかってきます。
すなわち、
(1)日常的な感染対策の基本は大きく変わらず、これまでの対応をしっかり継続すること。
(2)対策をとるのであれば早い方が効果が高く、1週間の遅れでも4世代の拡大につながる。
というようなことです。
感染者が増えるほど、感染した人と偶然に出会う確率が高くなります。
仮にリスクの高い「三密」の場所に行ったとしても、そこに感染者がいなければ、感染することはありません。
しかし、感染者数が多くなるとウイルスと出会う機会が多くなり、「三密」ではさらにリスクが高まります。
たとえば、一時は東京でも感染者数が50人以下まで減少していました。
1300万人の中で50人では、そもそもウイルスと出会う機会が極めて低い状況です。
その一方で、今のように感染者が増えている段階では、当然ウイルスと出会う機会も多くなり、感染する確率が高くなります。
日常生活でゼロリスクを求めることは困難です。
したがって、極めて高い感染率となった時には、日常的な対策は継続しつつ、上昇した確率を少しでも下げるようにするという考え方が必要となります。
この急増期間は、特に「三密」と考えられる場所については、可能であれば避けておくことで確率は下がります。
もしも、そのような場所に行かざるを得ない時には、混んでいる時間を避けることも有効です。
空間を広げることはできませんが、人が少なければ、相対的に空間が広がるからです。
マスクについては、「感染した人」がつけている方が、予防するためにつけるマスクよりも効果が高い。
そのため、自分の感染に気づいていない人も含めて、多くの人がマスクを着けていることが全体的な感染予防に有効となります。
これが感染拡大時のユニバーサルマスクという考え方です。
残念ながら「ウレタンマスク」は、「不織布マスク」と比べてかなり効果が劣ります。
そのため、感染した人が「ウレタンマスク」の場合には、その近くいる人のリスクは高まります。
流行拡大期の混雑場所では「自らがその近くを避ける」ということも確率を下げる工夫となります。
このマスクについての行動は、あくまでも流行拡大時に少しでも感染リスクを下げたい場合に、より狭い空間で、より人が多く、さらに大きな声で話すことが多い場所において有効な対応となります。
まわりに感染している人が増える→ウイルスと出会う機会も増える→感染する確率が高まる→確率が上がった分、少しでも確率を下げておく
この考え方は大切。
ちょっとした積み重ねをしばらく続ける、ずっとじゃない。
「ここぞ」という時にやろう…今が「ここ」です。

なるほど。。。
現在の実効再生産数が根拠薄となりますが、目安としてはギリ利用可能ということがわかりました。
一つ疑問に思うことは、今から不織布マスク徹底しても防ぎきれますかね?
随分前から都市部は全員がマスクしている現状の上に。
“ここぞ” という時は人類が感知する前、一足先に過ぎて、もう既に蔓延している気がしますが。
先生の言われるようにゼロリスクが無理なら、共存しかないように思います。
幸運にも致死性の極めて低い風邪ですから、万が一の重症化を抑えるため健康的な生活を心掛け、感染したら打ち勝って、結果自己免疫をワクチンの力借りずにアップグレードした方が良いような気がします。

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