三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜
11作目
2020年日本のドキュメンタリー作品。
1969年5月13日、東京大学駒場キャンパス900番教室で行われた、三島由紀夫と東大全共闘の討論会のフィルムが、2019年TBS緑山スタジオで発見された。
本作は、その模様を映し出すと同時に、当時の関係者からの証言を加えたもの。
討論会の内容は、後に三島が言う「砂漠のやうな観念語の羅列」で、知性の足りない私には解釈不能で、東大生と言えど当時の若者の理屈っぽさに辟易する箇所もあるが、それ以上に1VS1000を受け入れて、言葉で渡りあう三島の胆力に感動してしまった。
そしてなんと言っても、あの場の熱量の凄さ。
日本語が劣化している現代人(自分も含めて)には作り得ない討論会だ。
クライマックスには元東大全共闘の木村修の衝撃の告白もあり、大満足の本編。
そして特典映像で、本編では憎らしい存在(私見)だった強敵・芥正彦の三島に対するリスペクトや、ナレーションを務めた東出昌大の三島愛を観ることもできて、映画館で鑑賞する以上のお得感。
大切にとっておきたい作品だ。
もし彼らと三島が “天皇” で手を組んだら、ひょっとしたら “反米” で凄い展開になっていたかもと思う。