チューズデーに逢うまで

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先日子供向け写真本と一緒に購入。
写真本は30Pほどのボリュームでさらっと読めるので、待合室に置いてあります。
それとは対照的に本書は読み応え十分。
犬と人間の陳腐な友情物語なのではと、僅かながら先入観持って読み出した自分を恥じました。

戦場での超人的な働きからターミネーターと呼ばれたモンタバン大尉の、イラク戦争での初期の志があった活躍から、心身の崩壊過程、帰還後のPTSDと脊椎・脳損傷の苦しみ、故国と国民の助けが受けられない境遇は、「アメリカン・スナイパー」のクリス・カイルの苦悩と重なったし、フィクションだが「ランボー」の1作目クライマックスでジョン・ランボーが子供のように泣きじゃくる場面を思い出した。
そんなモンタバン大佐の悲惨な状況を救ったのが介助犬チューズデーで、イラク戦争の経過とともに両者の生い立ち・出会い・成長が語られていて、異種動物間でここまで強固な絆が形成でき、人間が一方的に犬を利用するのではなく、相互が必要として生きている状況に感動してしまう。

本書によればイラクとアフガニスタンに出征した80万人の将兵のうち、30万人がPTSDを発症。
2010年、復員兵の月間自殺件数が戦死者数を上回るレベルまで上昇したという。

国会審議で親方自ら稚拙なヤジ飛ばして、今後自衛隊が負わされるかもしれない責務に対して、明らかに責任を感じてなさそうなお偉方が集う国。
本書を読むことで当事者意識を持つ人間が増えることは大切だと思う。

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