オリバー・ストーン オン プーチン

そういえば3年くらい前に、書店で偶然目にし衝動買いしたのはいいものの、本棚に置かれたままの本書を、現在最もタイムリーだと思い読み始めたら。。。これは止まらないわ。

本書はオリバー・ストーンが2015年から17年にかけて4度ロシアを訪問し、9日間に渡ってウラジーミル・プーチンにインタビューし、アメリカTV局でドキュメンタリーとして放送されたものの完全翻訳書籍化。
よくよく考えたら凄いことだ。
日本のジャーナリストが習近平に独占インタビューして、日本で放送するようなもの。
やる方もやる方だが受ける方も受ける方、両者に相当の力量がないと無理。

「実は、世界で何が起きているかを常に注視しいるだけで、その背後にあるロジックを理解することは十分可能なんだ。なぜ普通の人は、何が起きているのかわからなくなるのか? なぜ外交問題は難しいと思うのか? なぜ自分達に隠された事実があると思うのか? それは彼らが日常生活に埋没しているからだ。日々仕事に出かけ、金を稼ぐことに忙しく、国際問題に関心を払わない。だから世論を操作し、誤った方向に誘導するのはこれほど容易いのだ。だが普通の人々が日々世界の出来事に関心を持つようになれば、たとえ外交の一部が常に密室で行われているとしても、世界で何が行われているかを理解し、様々な出来事の背後でどのような論理が働いているかを掴めるようになるだろう。機密文書を入手するツテがなくても、それは十分可能だ」

冒頭のプーチンのこの言葉で、一気に引き込まれました。
自ら柔道の基本理念を体得したと認め “柔軟” の大切さを語ると同時に、誰かを追い詰めてはならない、誰かを袋小路に追い込んではならないことを知っているという彼。
もちろんメディアに見せる偽りの顔、意図的な情報操作もあるだろう。
本書にはウクライナ情勢に関してもしっかり発言があり、今読むと非常に興味深い。
現在の彼は、本インタビューを受けた7年前と変わらない信念を持ち、そして安定した心理状態なのか?
いろいろ想像するに興味が尽きない一冊だ。

先ず本書を読んだら、次に映像で彼の表情を探りたくなった。

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