わたしは最悪。

5作目

2021年、ノルウェー・フランス・デンマーク・スウェーデン合作のダーク・ロマンティック・コメディドラマ作品(なんじゃそれ?)。

カンヌの女優賞を受賞し、アカデミーの脚本賞にノミネートされた作品が、どんなものかと試しに鑑賞スタート。
主人公のヒロイン<最悪な私>が<最高の共感>を呼んだとあるから、そこを踏まえて勉強のつもりで観進めたが、途中からアンデルシュ・ダニエルセン・リー演じるアクセルに完全に入れ込んで観てしまった。

膵臓癌で余命幾許もない歳上元彼のアクセルが、昔を懐かしんで話す内容に共感。

「僕はネットも携帯もない時代に育った。
 僕の世界は多くが消えてしまった。
 レコード店によく行ったよ。
 古本のコミックも立ち読みしたよ。
 今も貸ビデオ店が目に浮かぶよ。
 形のある “物” の文化の中で育ったから
 手に取ってじっくり品定めできた。
 そうやって過ごすことで今の自分ができた。
 20代初めに受けた刺激だった。
 あんな強烈な経験は、あれ以降ない。
 それが僕の全てさ」

主人公のヒロインは果たして己の人生の岐路、じっくり手に取って品定め、要は感情に流されず熟慮できたか?
こういう書き方すると、女性に全く理解がないと敵増やしますね。
いいや、それができたら男だって苦労せんわ。
ただ、失敗や後悔を重ねるから、人間に味わいと奥行きが形成されるのは事実。
そういう意味で前向きに成長したと捉える女性目線の秀作。

さぁ、次は漢臭いの観よ!

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