さらば白人国家アメリカ

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USA在住のコラムニスト・映画評論家の町山智浩氏の新刊で、大統領選直前(2016年7月)までのアメリカ世論を克明にレポートした書。
結果的に著者のヒラリー当選予想はハズレたのだが、本書にはトランプの勢力が着々と強大になっていく様子が、著者の現場主義を貫く潜入レポートと、鋭い見識で解説されているので読む価値大。

日本では、良識ある市民の無言の意思をサイレント・マジョリティと言い表すが、この言葉を最初に使ったのはニクソンで、白人ブルーカラーの本音に訴えかける言葉であり、今回の大統領選でトランプがターゲットとしたのも同じ有権者層だったそうだ。
エピローグでは、その白人ブルーカラーより危険なトランブ支持層の存在がレポートされているが、これは現在の日本も酷似している状況で驚いた。

タイムリーにオススメの書。

余談
大統領選当日、著者が最もディープなトランプ支持層が集まるBARへ潜入取材した動画がネット上にアップされているが、これなかなか度胸がないとできない取材です。

逆に、ここまでアメリカ社会の奥深くまで見ている著者の予想を覆すほどに、今回の大統領選は読みが難しかったということか。
予想を外した著者の選挙後分析も知りたいです。

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