1年で10歳でもいいじゃん

ウサギ診療を始めた20年くらい前、その平均寿命は5〜6年くらいと言われていたと記憶する。
昔のヒトでいう「人生50年」と比べ、およそ1年で10歳くらい歳とる感覚かぁ、儚いな〜と思っていた。

そして飼育と治療の知識・技術が向上し、現在大凡の平均寿命は7〜8年。
日本人の平均寿命と比べて、やはりヒトの10年が彼らの1年という当てはめ方は正解だと思っている。

当院では、目指せ10歳で飼育知識啓蒙に力を入れるから、定期的に飼主さん向けセミナーを開催してきた。
その際、ウサギの10歳はヒトの100歳に当たる、1年で10年を生きる動物だと説明してきた。
ところが最近はネット上にウサギの年齢換算表があり、10年は厳密には76歳なんだと。
100歳は15年以上にあたるらしい。
診察中、この違いに異論を感じて、以降の私の説明が耳に入らなくなる飼主さんがいらっしゃる。
愛兎が高齢だと認識してもらい、その上で病気と治療、介護に関して進めたい話がストップする。

そもそもウサギとヒトの年齢換算表って、何を根拠に決められたんですかね?
ウサギとヒトの老化を細胞レベルで比べ算出したものなんですかね?

いつまでも可愛い我が子である愛兎が、実は飼主さんの年齢を追い越して老齢に達したことを、信じられない・信じたくないけど認識してもらって、その上で快適な終の飼育生活を実現してもらうために利用する概念なんだから、厳密に従う必要はありますかね?

自身の実感とブレない目的意識に従って、今後も1年で10歳と説明し続けるつもりですから、そこはあまり拘らず先に進ませてほしい。

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