ヒトの方が読めない

飼主さんのなかには、何故か愛兎の切った爪や歯を集めている方がいます。
さすがに便、目ヤニやカサブタまで集める方にはまだ会ってない。
しかしながら、収集してどうしたいという明確な目的は、伺ったことがないので謎のままです。
漢方の鹿角みたいな効能が、ウサギの爪や歯に認められれば、当院はもう一財産築けますのに・・・

ウサギの手術においても、切除した臓器を持って帰りたがる方がいます。
術後の説明時に、切除したものは必ず飼主さんに確認してもらう(取り除いた証明として)ことを常としていて、その際に欲しいと希望される。
逆に、いきなり目の前に見せられて「ぎゃーっ」となってしまい、一瞥もせず逃げちゃう飼主さんもいます。

もちろん、普段見慣れている我々とは立場が違うことを考慮して、例えば腫瘍化したグロテスクなものは後ろ手に隠して、「確認してもらってもいいですか?」と一呼吸置いてからお披露目するようにしていますが、正常な臓器だったら大丈夫だろうと、こちらの勝手な思い込みで失敗しているのかもしれないです。

飼主さんのこれらリアクションは、見た目によって推測できない難しさもあります。
例えば、かよわい奥様やお子さんが平気で見て、なんなら触りたがってもいるのに、ゴールドジム皆勤賞のようなご主人が「きゃっ」なんて悲鳴あげる場面に何度遭遇したことか。

ウサギは表情が読み取れない動物なんていうけれど、ヒトは見た目以上に頭のなかが謎だから、もっと厄介なんじゃないの? なんて申し訳ないけど思うときがあります。

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