飼主さんの気持ち

当院で、およそ10年に渡って健康管理させて頂いたモモちゃんが、先日天寿を全うしました。

3歳で斜頚、8歳で臼歯不正咬合、9歳からは左後肢に障害を抱え、立てなくなることが多くなり、その都度飼主さんは私から介護知識を教わり、モモちゃんに快適な生活を最大限提供してくださいました。

亡くなってから数日しか経っていない昨日、飼主さんがご挨拶に来院してくださいました。
頂いた品物も嬉しかったのですが、手紙も添えてくださり、その一文が心に刺さりました。

” 今だから打ち明けますが、初めて先生にお会いした時は、先生怖い〜(笑)とビビりました “

モモちゃんのカルテで過去を見直してみると、飼主さんはまだウサギに関する知識がなくて、病気のモモちゃんにどう接して良いのかわからず、私の説明や指導に手を震わせながら緊張していた記憶が蘇りました。
愛兎は苦しみ飼主さんは必死、私も必死、しかしその私の必死が、まだ経験の浅い飼主さんには酷な仕打ちになってしまったのでしょう。
それでも飼主さんは私に対する恐怖心を乗り越えてくれたので、モモちゃんは幸せな一生を送れ、私も感謝される立場になれました。
だけど、なかには挫折して二度と来院されなかった飼主さんもいるでしょう。

例えばアクション映画であれば、ヒーローはどんな窮地に立たされても、それをジョークまじりに切り抜けるもの。
切迫した状況で、飼主さんにより緊張を強いてしまった10年前の私は、程度の低い獣医師だった。
今はそのショボさを脱したのか?
今回、飼主さんの言葉を胸に刻んで、まだまだ一層の精神修業をしなければ。

Tさん、ありがとうございました。

PS :
1枚で4パターン合わせられる、おしゃれなポケットチーフ。

感動!
ありがとうございました。

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