肥満による食欲不振
6歳、ヒトでいったら丁度私と同世代のウサギが、肥満による食欲不振で来院した。
6年間ずっとペレット中心の食生活で、今まで調子崩さなかったのが奇跡的、逆に言えば胃腸が強い子なのでしょうが、この度いよいよ限界となり食べられなくなってしまった。
とりあえず現状を打破、食べれるようにしなくてはなりません。
車で例えればエンストしてしまった状態の消化管を再稼働させるため、ウサギ用流動食の強制給餌と胃腸運動を復活させる薬の内服を10日間続けました。
この間は一切のオヤツをやめ、ウサギに食べてもらう、ではなく、食べさせて消化管の正常なリズムを取り戻してもらうよう務めました。
そしてとりあえず自発的に食べれるようになりましたが、さあ、ここから長い戦いの始まりです。
継続してクッキー、果物、人参、ドライ野菜などのオヤツは一切ナシ。
サプリメントすら、ウサギが喜んで食べるものはオヤツとみなし全て禁止。
牧草は元から嫌いで、唯一食べてたアルファルファも今後一切食べさせず、現状食べる食べないに関わらずチモシーに切り替え。
要は口にして良いものは、ペレット、チモシー、葉物野菜だけで減量食餌療法をスタートです。
ペレットの給餌量、先ずは不本意ながら好きなだけ食べさせて、その1日給与量をg単位で確認します。
そこからウサギの肥満度、目標体重、消化管の動きっぷりを総合して、ペレット減量計画を立てます。
焦らず慌てず徐々に減らしていくペレット給餌に反比例して、自発的なチモシー摂取量が増えていく変化を観察。
(チモシーを)食べながら痩せる、無理なダイエットになっていないか評価。
レントゲン検査による内臓脂肪の減少を確認し、血液検査によって内臓機能もチェック。
最終的に目標体重と、ペレット給餌量体重の1.5%、腹一杯のチモシー摂取を実現します。
6歳からの矯正は正直大変。
スムーズにいっても1〜2ヶ月かかるでしょう。
しかし長寿を目指すなら避けられない試練です。
はぁ〜、ワシも痩せないかん。