残念だけど、観察動物として終わる

とある初診の患者さんの話。

動物病院を受診するのは生まれて初めて。
10歳になる老齢の身体に、取り除こうとすれば手術が必要な病変を抱えていた。
セオリー通りの治療を施すには、年齢を考慮して細心の注意のもとであることプラス、飼主さんの適切な介護も不可欠となる。

しかし。。。

飼主さんは愛兎に一切触れない。
この10年間ケージ掃除と給餌だけで、愛兎と触れ合うことはなかった。

そんな飼主さんに今更あれこれやってもらうことは無理だろう。
老ウサギも初めて治療を受けることで、多大なストレスを感じる。
自宅療養が無理だと頻繁に通院してもらう必要があり、それまたストレス。

いろいろ検討し、飼主さんの自信なさげな感じも確認した結果、無処置経過観察となった。
病気があるのに治療してあげられないとは残念な話だが、結果的には患者と飼主に最大限負担をかけない決断だったと思う。

ただ、その患者さんは伴侶動物ではなく、観察動物として一生を終えるのが非常に残念だ。

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