拳と拳を突き合わせ
愛兎の病気が深刻な状況であれば、獣医師として飼主さんに分かりやすく説明することも大切な仕事で、話の途中で飼主さんが涙してしまうと、責任、使命、挑戦、様々な思いが高ぶり、患者の病気を治すのはもちろん、最後は飼主さんと笑顔で話せる結末にしたいと、こちらも切に願うもの。
ミニウサギのラブちゃんは、先月から重度の貧血で命が危ぶまれる状態が続いていた。
病状の説明をする際、いつも真剣な表情で聞く飼主の小学6年生の娘さんが印象的で、先日、ラブちゃんがいよいよ危ない状況になったとき、目に涙浮かべて説明を受ける彼女に、心が抉られる思いがしました。
その後幸運にも、治療、飼主さんの必死の看病、ラブちゃんの生命力が功を奏して、やっと今日、もう安心しても良いよ、と彼女に言ってあげられる状況になった。
その際、思わず嬉しなったジジイは「イエーイ!」言いながら、小学6年の少女に拳を突き出したのでした。
一瞬ドン引きされるかと思いましたが、すぐに彼女が嬉しそうに拳で応えてくれて、それ見た母上も満面の笑み。
良い話でしょ〜、獣医師していて最も嬉しい瞬間です。
娘さん、動物看護の仕事に興味あるんだとか。
ますます良い話だ。