大村智先生
先日、ノーベル医学生理学賞を受賞した北里大栄誉教授の大村先生。
私、大学1年のとき、今から30年近く前の話ですが、先生の講義を受けました。
教養課程で獣医学のことなどまだ何も知らない素人の私にも、先生の偉業は理解できました。
学会等で各地に出かける際に、必ずその地の土のサンプルを持ち帰り、医学的に有用な有機化合物を探す研究を地道に続けられた。
そして1974年に寄生虫駆除効果のある化合物エバーメクチンを発見し、それがイベルメクチンの開発に繋がり、開発途上国で有用されました。
聴講した当時、先生の偉業もさることながら、その特許金額の凄さに驚愕した私。
「まさにトレジャーハンターだ」と下衆な感想を抱いたことを思い出しました。
それにしても受賞の記者会見で、首相からの祝いの電話を待たせて会見を優先し、
「私が何かしたというよりも、やったのはみんな微生物の力ですから…」
と日本人の美徳である謙虚な気持ちを表した大村先生は、格好良すぎでした。
大村先生の発見は、現在のウサギ診療にも役立っており、ノミやツメダニ感染駆除に用いられるセラメクチンは、イベルメクチンから開発された薬です。