厳しい説明を乗り越えて

食欲や排泄物の状態が安定しなかったりすると、愛兎が消化管の病気になったり臼歯の不正咬合でも起きたのかと、その原因を薬や処置で解決することに期待する飼主さんがいらっしゃる。

しかし残念ながら期待外れ。

その原因が、消化に不適切な餌の長期給餌であることが多々ある。
思いきってオヤツを一切やめてもらい、それを我慢する生活を一定期間続けたあと、次はペレットを徐々に減らしていき、最終的に体重の1.5%給餌量に落ち着かせる。
その間、徐々に牧草を食べる量が増加していくことも確認しながら。
チモシーよりアルファルファや牧草キューブなら食べそう、なんていう妥協は一切許さないライザップ並の厳しい食餌の切替を飼主さんに要求する。
そんな面倒で愛兎に辛い作業を1ヶ月以上続けて、やっと愛兎に安定した食欲と排泄が獲得される。
強情なウサギならもっとかかるかもしれません。

診察時に手早く処置したり、注射打って数日薬飲ませて済む問題だったら楽だったのに、以降の食餌切替を飼主さんに丸投げの大変な解決策。
でも長い目で見たら、それが最善最重要策。

実際、説明を受けた飼主さんの幾らかは脱落します。
しかし数ヶ月後、もりもり牧草食べて立派な身体つきに変貌を遂げた愛兎と、満足気な笑みの飼主さんが来院してくれることの方が多いので、この厳しい説明はやめられない。

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