ウサギ学 隠れることと逃げることの生物学

著者は動物生態学の山田文雄先生、2017年初版発行の(野生)ウサギ学書籍。

第1章の「ウサギと人間」から「ウサギ学概論」「ノウサギ」「アナウサギ」「アマミノクロウサギ」「ウサギ学のこれから」と、著者が40年に渡って取り組んできたウサギ研究の解説本になっている。

野生ウサギに関する書といえど、ウサ飼いにも十分興味深い内容が満載。
研究者だけでなく、一般読者にも読み易くなるよう配慮された文章だから安心。

私的には、ウサギの起源から飼いウサギに到るまでの過程が、これほどまでに詳しく分かりやすく解説された書を初めて読んだ。
ウサギ目の起源とされるグリレスとウサギ科の化石種アリレプスは、読みながらネットで画像拾った。

グリレス
アリレプス

北アメリカかアジアの起源種から現在の分布に至るまでに起きた、最低9回の大陸間移動・分化も壮大。
進化傾向から考える穴居性のアナウサギと走行性のノウサギの比較は、身近な飼いウサギに近い歴史で興味深い。
どれも興奮して読んでしまった。

また人類とウサギの関わりの歴史も、既知の知識を補強する以上に詳細。
近年のウサギ関連の書籍紹介まであり、日本で最初のウサギ学術書とされる「飼いウサギ」(1955年)、ウサギを理解するためのオススメ一般書の「赤目」(1961年)と「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」(1980年)は、ネット古書ショップに速攻注文してしまいました。

当院のマニアックなウサ飼いさんにオススメの一冊。

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