ウサギは悪母?

当院の待合室にも毎号置いてある雑誌の特集版「ナショナル ジオグラフィック にわかには信じがたい本当にあったこと 」のなかに、「動物界の悪母、ワースト4」というのがあって、ジャイアントパンダ、ハムスター、オナガカナヘビと共にウサギがあげられている。

それぞれ確実に子孫を残すための手段として、自分の子供に対して無残な仕打ちをする(なかには命を奪う場合も)から悪母としたのだが、ウサギの場合は・・・

ウサギの母親は、出産直後から殆ど育児をしない。
1ヶ月間ほどミルクを与えに巣穴に戻るのだが、それは1日にたった2分程度。
一見愛情のかけらもなさそうな、ちょっと立ち寄り育児だ。

しかしこれにはちゃんとした理由があって、生まれてからある程度成長するまでの子ウサギは無力で、肉食動物にとって格好の餌食。
母ウサギは巣穴に子ウサギを隠す上に、自分が接触する機会も極力減らして、子ウサギが見つからないよう気を配っているのだ。

当院にも育児放棄した母ウサギの相談がしばしばあって、心配した飼主さんが人工哺乳を覚悟するが、よくよく観察すると明け方の超短時間、母ウサギはちゃんと育児している場合が多い。
愛兎の繁殖経験がある飼主さんにとっては、あるあるな話なんです。

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