ウサギの爪切り、補足

プログ読んで頂いた飼主さんが言いました。

「タオルで包まなくても、仰向けにすれば大人しくなりますよ」

すかさず私、「過去のブログ見てよ」・・・は不親切なんだな。

今までブログ上で何度となく説明し、勉強会でも毎回啓蒙し、動物看護学院の授業で動物看護師のタマゴ達にも教えてきたけど、それでも力及ばず、いまだにマイナーな意見なのか・・・ちょっと敗北感です。
でも、繰り返し言い続ける事が大切なんだろう。

ウサギを仰向け保定してはいかんのよ!

これは私が意固地になって言い続けている意見でなくて、古くは2008年発行のEmma Keeble/Anna Meredith著の「ウサギの診療Q&A」に以下の如く言及されており、

ウサギを仰臥位に固定すると、腹腔内臓器が横隔膜を圧迫してしまうため、呼吸が著しく抑制される。これは特に大型のウサギや肥満したウサギで顕著である。この状況を避けるため、頭部と胸部は持ち上げておくべきである。

トランス状態になる。この状態はウサギが捕食者に捕獲されたときに死んだフリをする恐怖反応の一種だといわれている。そのため、この行動はもしかしたら大きなストレスとなっているのかもしれない。

 

3年前の獣医師雑誌MVM No.126号のIan Sayersの投稿でも、以下のように述べられている。

ウサギを仰向けにする・トランス状態にする・催眠状態にする・強直性不動化は、あくまで恐怖に対する反応で、ウサギはそれに慣れることはできない。この状態において、高レベルのカテコールアミンの循環を記録し、またそれは繰返し行われても減少する事がなかった。

それに加え、ウサギを首筋の皮でつまみ上げる事もやり過ぎで、ウサギに嫌われると考える。

 

要は、仰向け保定はウサギにとって、身体的にも精神的にも多大な負担になる行為で、それは継続実施されても慣れる事がない苦痛だということ。

 

 

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