ウサギが鳴くとき

鳴き声に関しては過去にも言及しましたが、診察の場で彼らの声を聞くことは滅多にありません。

この場合の鳴き声とは、ちょっと興奮、ハッスルして鼻息が荒くなり「ブウっ、ブウっ」言う程度のものでなく、それこそ悲壮感伴う絶叫のような「ギャーっ、ギャーっ」という、普段全く声を発しない彼らからは想像できないボリュームの声です。

おおよそ診察室でこのような声を聞く場面とは、ウサギが過剰な恐怖に晒されたとき、痛みや苦痛に耐えきれないときなどで、場合によっては叫び声を発した直後倒れて。。。ということもあり得ます。
彼らがこのような声を発したら、安全に落ち着かせることが困難な場合もありますので、診察時は彼らの様子を慎重に伺いながら、少しでも予兆があれば一旦診察を止める決定を下すこともあり、重篤な患者さんはもちろん、老齢や超肥満個体では、より注意を払っています。

先日、自宅で突然鳴き声を発すると、愛兎を診察に連れて来た飼主さんがいました。
残念ながら診察時にその症状を確認することはできなかったのですが(そりゃそうですよね、鳴いてとお願いできないし、興奮させる訳にもいきませんから)、飼主さんが自宅での様子を撮影しており、それを観せて頂きました。

画面に映るそれは、ウサギの咳でした。

鼻水を飛ばしながら「ブヒッ、ブヒッ」なら飼主さんでもわかりますが、稀に乾いた派手目の咳を発する場合、私も実際に症状を確認しないと判断が難しいことがあります。
来院前に撮影してくれた、用意周到な飼主さんに感謝です。

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