葉巻に対する心意気

行きつけのシガーバーに、いつものように葉巻を仕入れに出向いた。

お気に入りの銘柄の棚に、見慣れぬサイズが並んでいた。
いつもの一本より一回り小さい、いかにも「愛嬌」なんて言葉が似合いそうなやつ。
パッと見て、「あぁ、こりゃ女の子向けか?」と思ったが、よく見たら値札はいつものサイズと全く同じ。
ふざけた話だ。
小さいクセに値段だけは一丁前ってか? 
一度は目を逸らしたが、どうにも味が気になって、結局レジに持っていってしまった。

世の中、物価高だなんだと騒いでるが、葉巻も例外じゃない。
どこぞの大統領が関税をいじくり回した結果、こっちの贅沢品にもガッツリ影響が出ている。
たかが数十分で燃えて無くなるものに、この値段。
吸わない連中からすれば、阿呆の極みだろう。

しかし、こっちはただの習慣や道楽で15年以上吸ってんじゃない。
この先、科学が手のひら返して「実はニコチンにはリラックス効果や認知症予防効果がありまして〜」なんて言い出し、葉巻の効能が賞賛される時代が来たらどうする?

そのときゃもちろん、涼しい顔して言ってやる。

「ほら見ろ、だから言っただろうが」っつって。
で、ひとり優越感に浸って、至極の一本をふかすのさー。

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