贈りたかった言葉 1
人は、人との関わりなしに成長しないし、孤独から解放はされない。
秀でた才能は、ときに大衆におもねることで鈍化する怖れはあっても、他者を理解して備わる庶民感覚は妨げにはならず、逆に、より大きなマスに受け入れられるためには絶対不可欠である。
独り閉じこもって己の真意を探ったところで、欠如した共感性は補填されない。
怖れず、他者の気持ちを探って、自分と照らし思考することなしに共感性は得られない。
頑固な自己愛で固められた人間は、共感性を得ることを自我崩壊と勘違いして無意識に怖れる。
だから己の問題を認識していても、そこから先の一歩を無意識に躊躇する。
社会(=他人)は、それを許容しがたいから、屈折し、複雑に拗らせた人間に見られてしまう。
そういう人間でも多様性豊かな社会なら、上部だけ受け入れてくれるかもしれない。
ただ、あくまで無理のない上部だけの関係性。
怖れて一歩を踏み出さない人間は、真の意味で孤独から解放はされない。