手厚い

今月は「長女の新生活を全力でバックアップするぞ!」と意気込んでいた矢先、まさかのノロウイルスに出鼻をくじかれた。

しかし、結果的に彼女は一人で新生活の地へ向かい、自ら住居を選択し、契約まで済ませて帰ってきた。
なんだ、いつまでも子供だと思っていたけど、やればできるじゃん。
大したもんだ。

引っ越しにあたっては、就職先の会社からさまざまな指示が出ている。
読んでみると、それらは新入社員が安心・安全に新生活をスタートできるように配慮された、今どき珍しいほど手厚いサポートだった。
時代錯誤といえばそうかもしれないが、親の立場からすれば、ありがたい限りである。

思い返せば、自分が小動物診療業界に就職した頃は、まだ今ほど経済が低迷しておらず、腐っても国家試験を突破した人材だったはずだが、丁稚奉公が当たり前で、時に苦汁をなめるのも当然のことだった。
私のような劣等勤務医など、苦味に麻痺して、挫折を感じる余裕すらなかった。
だが、今となってはその経験が鍛錬となり、折れにくい精神を育て、今の仕事の礎になったと感謝している。

彼女にとっては、相当な競争を勝ち抜いて得た職場だから、こうした待遇もある意味当然なのかもしれない。
親だからと四の五の言うのも違うだろう。

ただ、正直な感想として――
「今どき、こんなに手厚い会社があるんだなぁ」
「娘は、本当に良い会社に就職したなぁ」

そう、素直に思う。

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