愛国志士、決起ス
もともとが理系人間、歴史には疎くて、特に本誌の明治草創期など、学生時代の暗記項目程度の知識しかなかったので、当時の国の情勢、それを動かした登場人物たちの心情・生き様まで詳細に理解でき、更に感情移入して興奮するほどの物語になっていて嬉しい。
日本の歴史上、どの時点で「道義」が捨てられて、損得勘定だけが重んじられる生き方になってしまったか、説得力ある説が唱えられている。
切迫した時代物語でありながら、ふんだんにギャグを織り込む作者の創作スタイルは、読んでいて心が疲れないし、登場人物の豪傑さを表現する手助けになっている。
本書のクライマックス、武部小四郎の最期の絵力は凄まじく、心に刻まれてずっと残る場面になった。
続きが楽しみな物語。
因みに、発売初日に近くの書店へ行ったら昼の時点で売切れ。その場で注文し、後日受け取った。
左右の思想、どちらからも目の敵にされる作者。
これだけの力作、しかも売れてるから、話題になるのは必至でしょう。