情に厚い女
昨日、久々に姉が院に顔を出した。
初めて明かすが、昭和の校内暴力全盛期に活発な学生生活を送った彼女は、地元守山区で生粋のスケバンだった。
地元で “カミソリ◯子” として名が知られていた。
現在Netflixで配信されている「極悪女王」時代が青春ど真ん中で、当然唐田えりか演じる長与千種の大ファン。
TVの試合中継を一緒に観たあと、興奮覚めやらぬ姉に「かかってこい! 殴ってこい!」と言われ、とりあえず先手だけは許してもらえたが、1発で10発返される理不尽な戦いを強いられた。
初期「金八先生」の影響も受け、三原順子の「顔はヤバいよ、ボディーをやんな」の台詞を聞けば、忠実に私のボディ、いや、内心わざとローブローを叩いて虐めてくるサディスティックな一面も持ち合わせたイカれた姉だった。
しかし、昭和のスケバンは情に厚い女でもある。
最近間違いをやらかした私のことを心配して、様子見に来たわけだ。
恥ずかしいから外に出て立ち話したのだが、私の報告聞いてるうちに、怒りの導火線に火が付いた姉から、鋭い角度でローキックをもらって腰砕けになった。
野次馬目的で見ていたスタッフFが「素早い蹴りだったわ〜」と感嘆した。
たぶん。。。当院横の天ぷら繁盛店「光村」の客も、驚いて見ていただろう。
うちの姉は、情に厚い女なのである。