呼び屋一代 マドンナ・スティングを招聘した男

興行の「呼び屋」として、「キョードー東京」と「ウドー音楽事務所」という二大巨頭が支配する世界で、独立系として活躍した著者の孤軍奮闘50年史。
前半では洋楽ロックやポップスのアーティストを招いた際のエピソードが語られており、その内容は非常に興味深かった。
しかし、後半に移るとクラシック、バレエ団、韓流アーティストに関する章が中心となり、自分にはあまり響かず、途中で読むのをやめてしまった。
その結果、本書の半分近くが未読のままとなってしまった。
業界のアウトサイダーとして奮闘する著者に、業種は違えど勝手に共感を覚え、その処世術を学びたいと思っていた。
しかし、全体の内容が予想と少し異なり、期待を裏切られる形になったのは残念だった。
結局、その後に大手が出版する書籍を手に取ることになり、自分の美意識に反する選択をしてしまったような、複雑な気持ちが残った一冊だった。