中2 VS 55歳
午後の休診時間を利用してジムに行った。
夏休み中、会長の息子さんがトレーニングに来ていて、彼とトレーニング時間がよく重なる。
彼の若くてエネルギッシュな動きを見ていると、55歳の自分は思わず羨ましい気持ちになる。
そして今日も彼と顔を合わせた。
「もう学校が始まってるんじゃない?」と声をかけた。
「今日は始業式だけなんです」と彼が答えた。
なるほど、始業式が終わってからジムに来たんだな。
父親である会長の期待に応えようと努力する姿が本当に素晴らしい。
それぞれのトレーニングに集中していたら、突然会長が私と息子さんのマススパーリングを指示したではないか!
思わず「オヤジ狩りだ!」と叫んでしまった。
こうして急遽決まった中2の彼と55歳の私の対決。
彼の身長は私と同じくらいか、いや、むしろ私より少し高いかもしれない。
技術、スタミナ、勢い、ついでにルックスまでも全てが上。
しかも彼は清純さも持ち合わせている好青年だ。
一方の私は、その清純さなどとうの昔に失ってしまった。
結果、最初から合わせるのに精一杯の2ラウンドだった。
最後に会長に、「息子さんがプロになって世界を制したら、今日のことを自慢してもいいですか?」と聞いてしまった。
そんな自分のあざとさが、ちょっと恥ずかしかった。