バグダッド・スキャンダル

32作目

2018年デンマーク、カナダ、アメリカ合衆国合作、国連史上最悪の政治スキャンダルを描いた作品。

1996年から2003年までの7年間、イラクで実施された石油食料交換プログラム。
これは湾岸戦争後イラクの再軍備を防ぐため、石油の販売、それで得た利益の使い道の規制を国連が行なったもの。
石油輸出に7兆円、食料品等の輸入に4兆円が動いたとされているが、イラク政府は石油を実際より安く売り、物資(本作品では期限切れの薬として出てくる)は高く買うことで賄賂を生み出し、それはイラク政府だけに限らず、プログラムに参加する支援する側の手も染めていた。

本作にはその不正の全貌、それを告発した勇気あるアメリカ人の姿が描かれているが、戦争しかけた一番の当事者とその理由のいい加減さ、そして今に続くイラクの現状を思えば、複雑な気持ちで観てしまう作品だ。

本作後の話、汚職調査を国連が拒否したので、全容解明には至っておらず、現実社会はこの作品より更に汚いと思わされる。
そんな嫌な過去でも、事実を認識するために観るべき作品。

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