飼主さんが決めること

ウサギの病気の多くは、飼育環境や食餌の問題が大きく関わっています。
そのため、本当に病気を改善するには、目の前の症状を治療するだけでは十分ではありません。
飼育方法そのものを見直さなければ、治らなかったり、再発を繰り返したりすることも少なくありません。

一方で、ウサギは飼育環境や食事の変化にすぐ順応できる動物ではありません。
環境や餌を切り替える際は、数か月という時間をかけて、計画し、実行し、その結果を検証していく必要があります。

もちろん、私が診察の中で推測し、助言したことがすべて正しいという自惚れはありません。
当然、読み違えることもあります。
だからこそ、飼主さんとの信頼関係を土台に、試行錯誤を繰り返しながら、その子にとって最適な生活を一緒に探していくのです。

この「飼主さんとの信頼」が、病気で苦しんでいるウサギを助けるためには欠かせない要素だと私は考えています。
長くウサギを飼ってこられた方なら、「その通り」と感じていただける話でしょう。
わざわざブログで書くようなことではないのかもしれません。

それでも、あえて書こうと思ったのは、今日、改めてそう実感させられる患者さんと飼主さんに出会ったからです。

初めて来院された飼主さんでも、私は遠慮なく、それまでの飼育方法の問題点を指摘します。
それが本当に的を射ているのか、それとも見当違いなのかは、その場では誰にも分かりません。
未来を見通すことはできませんし、前述したように、私の読みが外れることもあります。

それでも、その時点で「この子のためになる」と考えたことは、飼主さんにどう受け取られるかを優先するのではなく、率直にお伝えします。
目の前で苦しんでいるウサギを少しでも良くしたい、その思いが最優先だからです。
その助言を受け入れるかどうか、そして今後も当院に通われるかどうかは、最終的には飼主さんが決めることです。

私は毎日、目の前の患者さんを診続けるだけです。
来院されなくなった患者さんは、残念ですが、やがて私の記憶からも少しずつ遠ざかっていきます。

それもまた、一つのご縁なのだろうと受け止めています。

1つ星 (9 投票, 平均: 1.00 / 1)
読み込み中...

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ