迷ったら

ウサギが病気の症状を隠すと言われるのは、野生における生存戦略に由来しています。

  1. 捕食者に狙われやすい動物だから
    ウサギは自然界では捕食される側の動物(被食者)です。
    病気やケガをして弱っていることが外部に分かると、捕食者に狙われやすくなります。
    そのため、本能的に体調が悪くても表に出さず、できる限り元気に見せようとします。
  2. 群れの中での立場を守るため
    ウサギは群れで生活することが多く、仲間同士の力関係がある程度存在します。
    弱っている個体は群れの中での立場が低くなったり、仲間から攻撃を受けたりすることがあるため、できる限り健康であるように振る舞います。

これらに加えて、ウサギは体の構造上、消化器系の不調が命に直結しやすく、病気の進行が速いことが特徴です。
しかし、上述の症状を隠す習性から、飼主さんが気づく頃にはすでに重篤な状態になっていることも少なくありません。

さらに加えて、これは私に限ったことかもしれませんが、ウサギ診療においては「診断的治療」の比重が大きく、それは確定診断に至るまでに時間を要し、治療にも日数がかかること意味します。

以上の理由から、ウサギはイヌ・ネコ以上に「迷ったら様子を見ずに、すぐに動物病院へ行くべき動物」だと言えます。

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