車の修理じゃないんだけれど
前回の話を覆すような展開になりますが……。
そうは言っても、飼主さんが報告してくれる複数の情報から、ウサギの病気の手がかりが見えてくることもあります。
たとえば「食べない」という症状ひとつを取っても、原因はさまざまです。
そこに「よだれが気になるんです」とか「涙目が気になります」といった情報が加われば、私は歯の異常を疑います。
さらに、普段どんなものを主食として与えているかを教えていただければ、より具体的に原因を絞り込むことができます。
また、「血尿がある」と報告された場合、メスなら子宮系の異常を視野に入れて深く調べていくことになります。
では、前回と今回とで、何が違うのでしょうか?
それは、飼主さんとのやりとりを通じて、私の中に生まれる“違和感”や“感触”の違いなのです。
明らかに「全部まとめて診てください」といったニュアンスで話される場合、正直なところ、ひとつずつ丁寧に診ていくことは難しくなります。
病気なのはウサギ。
その苦痛を代弁できるのは飼主さん。
そして、その訴えを受けて診療を行うのが私です。
できるだけスムーズに、的確に治療が進められるように、私も最大限努力しているつもりです。