衰え
現在、読書に励んでいます。
年齢を重ねても好奇心は衰えず、どんどんページを進めたいのですが、視力の維持がだんだん難しくなってきました。
そのため、老眼鏡や拡大鏡の助けを借りながら読書を楽しんでいます。

ウサギは老齢になるとどうなるのでしょうか?
以前にも述べたように、ウサギは人間ほど視覚に頼って生活している動物ではありません。
とはいえ、加齢による視力の衰えは避けられないはずです。
イヌのように探索行動が活発な動物では、視力の低下は飼主の目から見ても比較的はっきりと分かります。
一方、ウサギは「見えているのか見えていないのか」が行動からは分かりにくいこともあります。
白内障など、目に見える変化があれば気づきやすいですが、普段の様子から視力の衰えを判断するのは難しいかもしれません。
それでも、毎日よく観察していれば、飼主さんならきっと気づくと思います。
では、聴覚はどうでしょうか。
今日来院された飼主さんの話によると、人間が驚くような大きな音がしても、愛兎がまったく反応しなかったそうです。
実際に診察台の上で、私が至近距離で手を叩いて破裂音を出してみたところ、それでも反応がありませんでした。
その様子から、おそらくその子は耳が聞こえていないのだろうと感じました。
ウサギの立場になって考えると、見えてくることがたくさんあります。
年齢の段階ごとに状態を確認し、その都度適した飼育環境を整えてあげることが大切です。
五感が衰えたときに最も重要なのは、「ちゃんと食べて飲めているか?」ということです。
その基本がしっかりできるような、快適な環境を整えてあげることが何より大切です。