血統書が3通!?
気心の知れた飼主さんが、某ショップから新しいウサギを迎え入れました。
健診のため当院に来られた際、なんと「血統書が3通」添えられていました。
理由を聞くと、ショップ系列間でウサギを移動している間に管理が混乱し、「どれがこの子の血統書かわからなくなった」とのこと。
そこで、とりあえず見当をつけた3通を手渡されたそうです。
……そんなこと、ありますか?
1匹のウサギに3通の血統書を渡した時点で、少なくとも残りの2匹は血統書不在になります。
呆れつつも、気を取り直して健診を進めました。
診察の途中で、私が一言。
「この子、メスだね」
すると飼主さん、びっくりして、
「えっ!? オスじゃないの? 血統書3通とも“オス”だよ!?」
「はぁ……? それは……もう、ショップにクレームした方がいいよ」
「そんなこと私、言えない〜! 先生、一緒に来てよ!」
飼主さんに「ごんぞう」と名付けられたその子、早々に改名が必要です。
ただ、私の立場では出しゃばるわけにもいかず。
幸い健康状態は良好だったので、「可愛らしい女の子」として、たっぷりの愛情を注いであげてくださいね。
それにしても……こんなこと、本当にあるんですね。