縁
先に書いた「見立て」と関連する話ですが、過去に、ある飼主さんから批判を受け、「臼歯の処置」で私見を述べたことがあります。
残念ながら、その方とは「見立て」の違いを修復する機会もなく縁が切れてしまいました。
しかし、昨日の診療終了間際に新しい患者さんが来院されました。
その患者さんは他県からギリギリ間に合って来られたのですが、ネザーランドドワーフで体重が600g台の老齢うさぎでした。
飼主さんのお話では、臼歯の問題で数日間、食べたくても食べられない状態が続いていたそうです。
また、愛兎の体調を考えると麻酔は避けたいという強い意向があり、私のブログに共感してわざわざ来院されたとのことでした。
もちろん、喜んで処置をさせていただきました。
処置には緊張を伴いましたが、患者さんの状態を考慮し、時間をかけすぎることはできませんでした。
ただ、最初の診療ということもあり、飼主さんにも愛兎の口内を直接確認していただきながら、状況を理解してもらいつつ慎重に進めました。
「見立て」の違いが起きないようにするためです。
何とか無事に処置を終え、一日経った今朝、飼主さんから「うさぎが食事を取れるようになりました」との報告をいただきました。
縁が途切れることもあれば、新しい縁が生まれることもある――そのことを改めて実感し、とても幸せな気持ちに浸りました。
このような出来事があるからこそ、今後もブログを続けていこうと思います。
少し自画自賛のような話になってしまいましたが、実は無麻酔での処置が可能なのは、私の技術だけではありません。
むしろ、10年以上の経験を持つスタッフの卓越した保定技術によるところが大きいのです。
彼女たちがいなくなったら、当院の存続は難しいでしょう。
だからこそ、日々彼女たちのご機嫌をうかがいながら診療を続けています(笑)