節子(姉)新人スタッフの話? 2

ウサギ診療というニッチな世界で仕事をスタートした姉。

場数を踏みながら診察時のウサギの扱い方を学んでいる最中だが、実はウサギの飼主さんにも「一部に」個性的な方々がいらっしゃり、ときに衝撃を受けることがある。

例えば、肥満気味や食欲が不安定な患者さんの診察。
私が飼主さんに対して、
「普段の餌に変化はありませんか?」
「ペレットの給餌量は守っていますか?」
「飼育環境の変化は?」
と、いつものルーチン質問をする。

返しの良い飼主さんならスムーズに答えてくれるため、診察も順調に進んでいく。
そして私が「オヤツはあげていませんか?」と尋ねると、即答で「あげていません」

ところが、その直後——

「ミル◯⚪︎ーを毎日少し与えてます」

……いや、それ、思いっきりオヤツでは!?

怪奇小説なら、
「呼吸をするように嘘をつく奇怪な人物」
って書かれるレベルの発言だ。

ウサギ飼育の知識がまだ豊富でない姉ですら、すぐに違和感を察知したほどのやりとりだった。

ただ、これは決してその飼主さんを卑下して、ここに晒す話ではない。
むしろ、その方は純粋に「ミル◯⚪︎ー」を愛兎の常用食だと信じ、何の疑いもなく申告してくれただけなのだ。
こうした驚きは、以前紹介した「何度も同じ質問を繰り返す飼主さん」と同じく、認識の違いや不安から生じるもの。

しかし、しばらく経験を積むと、姉も私や他のスタッフと同様に、こうした場面を当たり前のこととして受け止めるようになるだろう。

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