検査の必要性
日頃から、患者さんに余計なストレスをかけない診療を心がけています。
結果として、診察時間が短いと感じる飼主さんもいるでしょう。
レントゲンや血液検査、エコー検査など、一通り精査して安心したいという飼主さんの気持ちも理解できます。
ときには、飼主さん自ら検査を依頼される場合もあります。
現在のところ、毎月の支払いに追われるとか、スタッフの人件費が高騰して悩むことはありません。
そのため、必要ないと判断した検査に関しては「やってもいいけど、私が儲かってしまうだけで、あまり有益な情報は得られないかもしれません」と正直に言ってしまいます。
それでも飼主さんが不満そうな顔をされると、内心「仕方ないか」と思いながら、患者さんでなく、飼主さんのために、求められた検査を行います。
嫌がる患者さんに「申し訳ないね」と思いながら。
もちろん私も人間ですので、見落としはあるでしょう。
また、初診ではわからなかったことが、再診で明らかになることもあります。
少し時間が経ってから症状がはっきりする場合もあります。
飼主さんが自宅での様子を詳しく報告してくださることで、大変助かることもあります。
特にウサギは、一般的にイヌやネコよりも症状が分かりづらい生きものだと言われています。
しかし、私は10年以上ウサギだけを診ているので、その「分かりづらさ」をあまり感じていません。
もしかしたら、自分がウサギのことを理解していると勘違いしている可能性もあります
誰も指摘してくれないのでどうしようもありませんが、今のところ仕事は順調にいっています。
何が言いたいかわからなくなってきましたが。
1回の診察で、全てが解決することはない場合があるということです。
普段の健診など、こまめに通院することで、患者さん個々の健康時の診察台上の振る舞いが観察できます。
成長や老化、体つき、毛並み、警戒の仕草など、さまざまな情報が蓄積されます。
患者さんの容態が悪化したとき、その情報との違いが明確になり、それが非常に有益です。