早くできるようにならないと、うちの子になっちゃうよ
ウサギのコントロールによる主従関係の構築に始まり、必要に応じて投薬法や強制給餌法を教えています。
これらの技術は、できるだけ早く習得することが重要です。
厳密に言えば、失敗は許されません。
なぜなら、失敗を重ねるほど、ウサギは「こいつになら勝てる!」と判断し、飼主を下に見るようになるからです。
ウサギを「ただの可愛い生きもの」と侮ってはいけません。
ウサギの社会性と序列
野生のウサギは、基本的に群れ(コロニー)を作って生活し、一定の「序列(ヒエラルキー)」が存在します。
犬やオオカミのような厳格なボス制度こそないものの、序列があることで争いを避け、群れの協力関係を保っているのです。
ペットウサギにもこの習性は残っており、多頭飼いでは自然と序列が生まれます。
また、飼主に対しても「どっちが上か?」と試すような態度を取ることがあります。
マウンティングや甘噛みなどの行動は、その関係性を探るための手段なのです。
これを読んで、可愛いだけの生きものだと思いますか?
私には、むしろ競争社会で勝ち組を目指す、野心に満ちた生きものに見えます。
もし飼主が「平等主義」に染まったぬるま湯の人間なら、一瞬で足をすくわれることになるでしょう。
この画像のウサギも、飼主さんが強制給餌をうまくできなかったため、再度来院して実演しました。


私が手をかけると、ウサギはまるで「人が変わったように」――いや、「ウサギが変わったように」従順になりました。
たった2回の強制給餌で、私とこのウサギの序列は確立されたようです。
もはや「私のウサギ」と言ってもいいほど……。
申し訳ありませんが、当院にはこうした「私のウサギ」が、他にもたくさんいます。