恐ろしいこと想定して
初診の飼主さんには、必ずお願いすることがあります。
「次回来院の際に、自宅でのウサギの飼育環境を撮影し、画像を見せてください」
市販のウサギ用飼育キット、ケージ、トイレ、餌入れ、給水器……。
残念ながら、私の視点から見ると、不適切なものが非常に多いのが現状です。
特にケージに関しては、圧倒的に狭いものがほとんどです。
ウサギを飼い始めたときは、まだ幼齢で体格も小さいでしょう。
しかし、ウサギは生後半年ほどまで成長を続け、最初のサイズの2倍以上に育つことも珍しくありません。
そのため、最初に用意したケージでは明らかに手狭になってしまうケースが多いのです。
さらに、オモチャやクッション、寝袋、果てにはハンモックまで設置している飼主さんもいます。
しかし、ウサギの視点で考えたことはあるでしょうか?
例えば、飼主さんが外出中に、
・雷が鳴る
・車のクラクションが響く
・工事の騒音がする
・地震が起きる
といったことが起こる可能性があります。
そんなとき、狭くて障害物だらけの環境では、ウサギはパニックになり暴れるでしょう。
その結果、何が起こるでしょうか?
ウサギは非常に骨折しやすい動物です。
また、飼主さんがいるときにはイタズラをしなかったとしても、ひとりで留守番している間は、退屈しのぎにケージ内のものを齧りだすかもしれません。
そして、齧ったものの一部は飲み込んでしまう可能性があります。
アクシデントが起きてからでは遅いのです。
ウサギを信用せず、さまざまな状況を想定し、事前にしっかりと対策をとりましょう。
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