急性腎障害
酷暑に伴い、この時期に非常に多く見られる病気です。
ウサギは体温調節が苦手な動物です。
そのため、熱中症になると短時間で重度の脱水に陥り、それが急性腎障害(急性腎不全)につながることがあります。
その流れは次のようになります。
① 熱中症で体温が異常に上昇する
室温が28~30℃以上で高湿度、飲水不足、風通しが悪いなどの条件では、体内に熱がこもり、体温が40℃以上まで上昇することがあります。
② 脱水と血液濃縮が起こる
高体温になると呼吸数が増え、水分の蒸散量も増加します。
さらに、食欲や飲水量も低下するため、体内の水分は急速に失われます。
その結果、血液が濃縮する、循環血液量が減少するという状態になります。
③ 腎臓への血流が低下する
腎臓は大量の血液が流れることで正常な機能を維持している臓器です。
脱水によって循環血液量が減少すると、体は脳や心臓など生命維持に重要な臓器を優先して血液を送るため、腎臓への血流は著しく低下します。
すると腎臓は十分に働けなくなり、老廃物を排泄できない、尿量が減少するといった異常が現れます。
④ 腎細胞そのものがダメージを受ける
脱水による血流不足が長時間続くと、酸素不足に陥った腎臓の細胞(尿細管細胞)が壊死し始めます。
ここまで進行すると急性腎障害となり、単に水分を補給するだけでは回復できなくなります。
熱中症
↓
食欲低下
↓
飲水量低下
↓
脱水悪化
↓
胃腸の動きが止まる(胃腸うっ滞)
↓
さらに食べない・飲まない
↓
脱水がさらに進行する
↓
急性腎障害
熱中症や脱水による腎障害は、腎臓の細胞が壊死する前に血流を回復できるかどうかが、回復の鍵となります。
しかし、症状が現れてから飼主さんが早期に異変に気付き、迅速に動物病院を受診したとしても、必ずしも救えるとは限りません。
それほどまでに、この病気は短時間で急速に進行することがあるからです。
繰り返しますが、これは「治療する病気」ではなく、「絶対に予防しなければならない事故」です。
この夏は、「室温管理」と「十分な飲水」、熱中症を起こさせない環境づくりを徹底し、大切な命を守ってあげてください。
