思い込みはいかん 2
2か月前。
ラビは、他◯での処置中のアクシデントで腰椎骨折し、下半身不随の状態で来院した。
症状を改善させることは難しく、現実的には飼主さんが介護を担わねばならない。
圧迫排尿の方法、定期的な下半身の沐浴、強制給餌や毛玉取り……。
詳しく、そして厳しく説明した。
1週間後の再診では、「できたこと」と「できなかったこと」を確認し、再度指導。
診察しながら、私は「これは相当大変だろうな」と思い、言葉少なになってしまった。
それから2か月。
再来院がなく、「やはり…」と思っていた矢先――
今日、ラビと飼主さんが元気な姿で現れた。

ラビは栄養状態も良好。
下半身は驚くほど清潔に保たれ、顔つきも生き生きとしている。
飼主さんはさらに快適にするための質問まで投げかけてきた。
聞けば、飼主さんはパートナーの力も借りず、独りでラビの介護を続けているという。
ここからはご本人の承諾を得て明かすが、その方はピアニストの徳丸大将さん。
演奏活動の幅を狭めてまで、ラビの介護に尽力しているのだ。
「きっとドロップアウトしたに違いない」と思っていた自分が恥ずかしかった。
彼の演奏会、ぜひ聴きに行きたい。
――思い込みはいかんね。
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