定番
当院に限って言えば、ウサギで一番多い病気は「うっ滞」をはじめとする消化管疾患か。
そうすると朝から晩まで一日中、「オヤツあげるな」「牧草中心で」「毎日ブラッシングして」「便の状態もチェックして」「体重測って」等、同じ説明を延々繰り返している。
いえ、全然嫌ではありませんよ。
だって、個々の飼主さんにとっては初聞の大切な説明ですから。
しかし、稀に、それらとは違って、毎診察必ず、同じ質問を繰り返す飼主さんがいらっしゃいます。
それもひとりではありません。
「あれ? その質問、前回も受けなかったっけ?」とデジャブを感じて、一応カルテに説明済の記録しておく。
次に来院されたとき、再び飼主さんが話し出すと、カルテ確認して「やっぱりやん。これで4回目!」とか。
待合室が混み合っているときは、落ち着かない気持ちになります。
(AIに「『イラつく』を、相手に配慮した言葉に変えて」と依頼したらこの表現になりました)
でも、その飼主さんの立場に立って想像してみると、たぶん、不安や心配から、何度でも同じ「説明」を確認せずにはいられないのでしょう。
だから、そんな飼主さんの気持ちに配慮して、私が考えを変えることにしました。
談志の「らくだ」、オジーの「パラノイド」、井上尚弥の「KO」みたいに、なくてはならない、客ならば当然要求するべき定番だから、何度でも丁寧に説明するべきだと。
以前のように「チッ」とか舌打ちしないで、飼主さんの気持ちに寄り添うようにしますので。
こうやって人に優しくすると、今年も何か良いことあるかなぁ?