子犬のせいかも
ひびきちゃんは、2歳のメスのロップイヤー。

2週間ほど前から、少しずつ食欲が落ちてきていて、糞もやや小さめになってきました。
とはいえ、まったく食べないわけではなく、急激に体重が減ったわけでもなかったため、しばらく様子を見ていたとのこと。
ですが、さすがに期間が長くなってきたので、今回受診されました。
飼主さんにお話を伺ったところ、1ヶ月ほど前に子犬を迎え入れたそうです。
初対面のとき、ひびきちゃんの方から子犬に近づいていったため、「仲良くできそう」と感じたとのことでした。
ただ、それはあくまで“飼主さんの視点”かもしれません。
ひびきちゃんの立場で考えてみましょう。
2歳は、年頃の女性にあたる時期です。
メスのうさぎは、出産や育児のための空間を守るという本能から、縄張り意識が非常に強くなります。
極端な話、飼主さんがケージに近づくだけでも不快に感じることがあります。
ケージの中やその周囲で、メスウサギが飼主さんを鼻でツンと突くような行動を見せる場合、それは愛情表現ではなく、「私のテリトリーに入らないで!」という意思表示かもしれません。
今回、ひびきちゃんは、初めて見る小さくて弱そうな生き物(子犬)に対して、母性本能を刺激されたというより、むしろ警戒心を抱き、自分の縄張りを守るために近づいていった可能性があります。
この緊張状態が長く続いたことで、ひびきちゃんにじわじわとストレスがたまり、食欲不振につながってしまったのかもしれません。
もしそうであれば、ひびきちゃんのケージが置かれている部屋には、子犬が入らないようにし、遊び場は別の中立的な部屋に設定することで、状況は改善するのではないでしょうか。