和やかスタートだったのに
小難しい話が続いたので、和やかな話をひとつ。
ルアちゃんは年齢不明の保護ウサギ。
半年前に譲渡され、現在の飼主さんが当院に連れてきてくれた。

今日で4回目の来院ですが、見てください、この落ち着いた穏やかな表情。
初診時に教えたコントロールを、飼主さんは難なくマスター。
すぐにリーダーとして信頼関係を築いてくれた。
そのおかげでルアちゃんは、いつも守られている安心感からストレスなく生活できる。
実際、飼主さんの横でお腹を出して寝ているそうです。
イヌもウサギと同様に、元来群れで生活する動物です。
そのため、飼主との信頼関係の構築が大切です。
しかし、幼少期のうちに十分な関係を築けていないと、成犬になってからは新しい環境や人に対して警戒心を抱き、適応が難しくなるとされています。
私の考えですが、ウサギに関してはイヌのような難しさはなく、成兎以降でも比較的容易に信頼関係を築けると思います。
なのに…。
これも私の考えですが、それほど簡単であろうことができず、四苦八苦している飼主さんが多いように思います。
中には、主従関係の逆転どころか、ウサギの奴隷と化しているような飼主さんもいます。
では、その王様・女王様気分のウサギは幸せでしょうか?
いいえ。
彼らは頼れる人間が不在で心細く、いつもハラハラドキドキしながら、神経をすり減らして生活しているはずです。
そのため、ちょっとしたことでも怒りっぽくなり、問題行動も増えてしまいます。
ウサギと信頼関係を築けない飼主さんは、不甲斐ないだけでなく、ウサギを不幸に追い込んでしまう存在になりかねません。
すみません。
穏やかに終わるつもりが、ずいぶん辛口になってしまいました。