受け入れるしかなかったのに
しーちゃんは10歳のオスウサギ。

いつも来院時に連れてきてくれる奥様と、「あっという間に、こんな歳になっちゃいましたね」としみじみ話した。
奥様曰く、「もともと義父が『可哀想だから』と保護した放浪ウサギでした。でも、義父は保護するだけで、全然世話をしなかったので、仕方なく私が面倒を見るようになったんです。なのに、こんなに可愛くて…この子の老い先を思うと、涙が出てしまいます」
これ、実はよくある話です。
自分が迎えたくて迎えたわけではなく、家族の誰かが連れてきたウサギなのに、なぜか率先して世話をするのが自分になってしまった。
最初は「大丈夫かな?」と、自分に世話ができる自信などまったくなかったのに、必要に迫られて世話をし、病気になれば看病し、年老いたら介護して……。
そりゃあ、唯一無二の存在になってしまいますよね。