取るとき気持ちいい

最初に言いますが、これは稀な例だと思いますので、皆さんのウサギには参考にならないかもしれません。

当院では、3ヶ月に1回の爪切り健診を勧めています。
その3ヶ月ごと、毎回きっちり右鼻に牧草が詰まっている患者さんがいます。
逆に言うと、3ヶ月放置していても、呼吸が辛くなったり、大きな病気に繋がることは、今のところありません。
そして、飼育様式を様々検討・改善してみても、毎回必ず詰まっているのです。

要因としては、以下が挙げられます。

鼻呼吸の異常(くしゃみ・鼻水など)
鼻の粘膜が炎症を起こしていたり、軽い鼻水が出ていると、牧草の小さな破片を吸い込みやすくなります。

異常に細かい牧草を食べている
細かく粉っぽい部分が多い牧草を食べていると、呼吸と一緒に鼻に吸い込みやすいです。

食べ方が荒い(食い付きが良すぎる)
牧草をバキバキ噛みながら、興奮して食べていると、小さな欠片が鼻の奥に入り込むことがあります。

加齢や基礎疾患による反射低下
歳をとると、くしゃみ反射や鼻をきれいにする動きが鈍くなり、牧草が鼻に詰まったままになりやすいです。

顔面の骨格・歯の異常
不正咬合(歯のずれ)や顔の骨格に問題があると、口周り・鼻周りの動きが悪く、鼻腔が狭くなって詰まりやすくなります。

乾燥・埃っぽい環境
空気が乾燥していると、鼻の粘膜が傷みやすく、そこに牧草や埃がひっかかりやすくなります。

対処法としては、
・粉っぽい牧草は避け、長めで新鮮なものを選ぶ。
・牧草を適度に湿らせて埃を減らす。ただし、カビの繁殖に気をつけねばなりませんので、あまりお勧めしません。
・鼻水・くしゃみがあれば、すぐに診察を受ける。
・年齢や持病に合わせた環境調整をする。
・部屋を加湿し、空気清浄する。

これら対策を試みても改善されなければ、定期的に取り除くことになります。
今回も、覗いてみると確かにあります。

顔面を保定し、ピンセットで慎重に引き抜きます。

――不謹慎ですが、私的には気持ちいい処置なのです。

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