二つの障壁
症状や苦痛を直接訴えることができない患者(ウサギ)の代わりに、獣医師は飼主さんから情報を聴取します。
そこでは、「聞く能力」を持つ獣医師と、「話す能力」を持つ飼主さん、双方の力が重要になります。
患者(ウサギ)を、診察室で長時間ストレス下に晒さないよう、できるだけ短時間で、的確に意思疎通を図る必要があるからです。
飼主さんは、直接話すことのできない患者の代弁者です。
だからこそ、非常に重要な役割を担っています。
しかし、すべての飼主さんが「話の達人」であるわけではありません。
そして私自身も、聞き手としての能力に、まだまだ満足できる状況ではありません。
故に、ここが最初の障壁となります。
続いて、話し手と聞き手が交代します。
今度は私が、下した診断や治療について、話し手として説明します。
そして飼主さんが、それを聞き手として理解します。
ここの意思疎通がうまくいかないと、間違った認識のまま診断や治療法が伝わってしまったり、同じ説明を何度繰り返しても、なかなか伝わらないということが起こります。
ここが、私にとって最もストレスの大きい障壁です。
こうやって文章化してみると、私たちはなんとも難しいことをやっているのだと、改めて納得します。
だから昨日の「分からず屋」も、少しばかり温かい目で見ようとは……。
……やっぱり思えないっ(笑)
